自分の大切なものに銃口を向ける人

3Dプリンターを使って銃を製造していた人が逮捕された。最初はマニアによる行き過ぎた遊びの類なのかと思ったら、どうやらそうではないらしい。当人のツイッターアカウントには『銃を所持する自由』を主張する言葉が、それこそ機関銃のように並んでいた。

こうした出来事で驚くのは、自分の大切にしている主義・主張が規制されるきっかけになるような行為に、なぜ及んでしまうのかと言う事。3Dプリンターで銃を製造すれば、今よりさらに規制は強まり、それを実現出来るツールである3Dプリンターの一般商品化にもブレーキがかかりかねない。銃を所有する権利を実現したいのならば、今回のような行為はマイナス影響しかないはずだ。

こうした事象は他にも良く見かける。言論の自由を大切にしなければいけないはずの『知識人』が、過激すぎる言論を場所をわきまえずに発してしまったり、宗教の自由を大切にしなければいけない人が、多くの人から『規制すべきだ』と言われかねない行為をしていたり。マネーゲームで大儲けしたい人が、越えてはいけない一線を越えて規制強化のきっかけを作ってしまったり。どれも皆、自分の一番大切なものを自ら破壊しかねない(もしくはそのきっかけになりかねない)行為だ。

僕は心理学者ではないから、彼らがなぜそのような行為に走るのか、その理由は分からない。でも、自由と言うものにこれだけ無頓着で、それを知っていて何かを規制するために政治的な動きをする検察がいるこの国で、彼らの行為は『一部の過激な人』では済まないんだと思うんだよな。